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 相羽です。

 『トロピカル〜ジュ!プリキュア(公式サイト@東映公式サイト@朝日放送)』第15話「みのりがローラで、ローラがみのり!?」の感想です。

 ネタバレ注意です。
 ◇◇◇

 みのり先輩と入れ替わったローラが口にした言葉は「自由」。

 この作品、ローラとその仲間たちによる、壮大なバリアフリー国家建国物語でもあるのか。

 前回の感想で、ローラが足が不自由な人の比喩になっているという趣旨のことを書きましたが。

 最初に、作中の「不自由」サイドで重ねて描かれている事項を図示してしまいましょう。


【不自由】
・人間界で足がないローラ
・今話の戦闘中に「束縛」を受けるキュアコーラル
・マーメイドアクアポット(人間界では基本的にこの中にいないといけない)
・用水路の中を進むしかないなど、これまでたくさん描かれてきたローラの人間界での制限
・リアル世界の方のステイホームしていなきゃ的な制限



 もちろん「足がない」は普遍的な意味で「不自由」なのではなく、基本的にはいわば「個性」で、海の中で生きている分には何の制限も生まれません。

 しかし、ひとたび「人間界」という(人魚からみた)「外」の世界に出てしまうと、「不自由」な制限となってしまう。

 私事で恐縮ですが、17年くらい母親の介護をやっているので分かります。

 母親の半身不随もやや理想主義的な言い方となりますが、捉えようによっては「個性」です。家の中で暮らしていく分には17年かけて介護生活用にカスタマイズしているので、ある程度制限なく生きていけます。

 しかし、家の「外」に出ると、とたんにバリアフリー対応のトイレが少ない、段差がある、食事する場所が限られる、などなどと、「制限」が多くて「不自由」になってしまう。

 ラスト、入れ替わりに関して、みのり先輩が、


 「楽しかったけど。やっぱり私は私がイイ、かな」(一之瀬みのり)


 とするのに対して、ローラの方は、


 「ま、まあ人間の体も多少楽しかったかもしれないけど。私も、私自身のままがいいわ」(ローラ)


 としながらも若干の憂いと疑念の表情を見せます。そして、画面に印象的に映されるローラの尾ひれ。

 みのり先輩の感想の方が、若干(言い方は悪いですが)(人間界という環境に限定すると)健常者側からの言い分で、悪とはいわないけれど、みのり先輩はまだ物語が途上である表現になっていそうです。

 一方で、みのり先輩の方がどちらかというと脳筋で、むしろローラの方が敏感な精神性の持ち主というのが明らかにされる名場面でもあります。

 上記図の【不自由】側にいてもそれなりに安寧で、生きていくことはできる。

 でも、ローラは聡明なので疑念に思い始めています。

 え、世界の方を、環境を移動しても(たとえば海から人間界に移動しても、マーメイドアクアポットから外に出ても……)「不自由」なく「自由」に生きていけるようにすることは、知恵と工夫でできるんじゃないの? と。

 リアルの方で新型コロナウイルス関連の事象でみんながアクアポットの中的にステイホームするのはある意味で「しょうがない」ことかもしれないですが、とはいえ、知恵と工夫でもうちょっと状況を改善することは可能なんじゃないの? と。

 今話で、戦闘中に「束縛」されてしまったのが、前回の感想で書いたような文脈をもつ、つまり紫色のチューリップを愛するという意味で「自由」の精神性と、『シンデレラ』解釈でいうところの「勇気」をもつさんごさんなのも象徴的です。

 涼村さんごを、束縛された「勇気」を解放しようと変身を試みるも、現在のローラにはその方法では彼女を救えない。まだ、何かが足りない。

 『シンデレラ』の本質を「勇気」と解釈するのなら、『人魚姫』も、姫は願いを胸に陸へと上がったのです。「未来を切り開き、願いを求める」という点において、同型の物語と解釈されそうです。

 上記【不自由】サイドの対照概念、【自由】側として出てくるのが「大海原(オーシャン)」という概念です。

 事実、みのり先輩の方は今回人魚になって「大海原(オーシャン)」へと出てみて、精神も少し「大海原(オーシャン)」に、「自由」になったのです。

 ラストでは、精神を拓くドラがけたたましく鳴りました。

 ローラとその仲間たちは、上記【不自由】群を、「しょうがない」で終わらせる気はなさそうです。

 サカナが陸地に上がっても「自由」でいられて、かつ『人魚姫』のように転生エンドで終わらない現世利益の希望を、いまこそ知恵と工夫で出現させる時。

 いくぜ、新世界!

 「人魚」の概念を、「自由」と「勇気と希望」と「大海原(オーシャン)」の象徴として描くという作劇。尾ひれのシーンでローラが口に出た言葉と裏腹にどこか納得していない感じはとてもイイです。一人の女性(人魚ですが)が自分の本来性に基づいた目的を自覚し始めている瞬間を切り取っている感じです。

 次期女王のビジョンが、彼女の脳裏にまたたきはじめている。

 この作劇だと、マーメイドアクアポットは、物語後半に、より「大海原(オーシャン)」的な新玩具にバージョンアップしそうですかね。

 バンダイさんの商魂と、『トロピカル〜ジュ!プリキュア』の物語進行がシンクロした時、何かと「不自由」をしいられている最近のリアル世界にも、「自由」の「大海原(オーシャン)」が現れる。

 次回から、物語前半の山場となりそうな連続ローラ回がスタートの模様で。

 人類史の長い歴史の中でも淘汰されずに残った強く人を惹きつける概念を、「人魚」というらしい? 令和の世の「人魚」の最前線が解き放たれるまで、もうしばしです。

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→前回:『トロピカル〜ジュ!プリキュア』第14話「おまかせ!保育園でトロピカ先生!」の感想へ(ネタバレ注意)
→前回:キュアラメールは転生せずに現世利益の希望を放つのかへ
→次回:『トロピカル〜ジュ!プリキュア』第16話「」の感想へ(ネタバレ注意)
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