相羽です。

 アニメ『マーメイドメロディーぴちぴちピッチ』第1話「真珠の涙」&第2話「言えない心」の感想です。

 ネタバレ注意です。

 ◇◇◇

 十年来の友人のRubyさん(ブログTwitter)の命をかつて救った(笑)という伝説のアニメ、『マーメイドメロディーぴちぴちピッチ』。

 僕の人生の、どこかのタイミングで視聴しなくてはならないアニメだとはずっと思っていました。

 WEBでの配信がこれまでなかったり、レンタルショップとかにも置いてないことが多かったりで、Rubyさんと出会ってから十年以上機会がなかなかなかったのですが。

 今回、ついにそのタイミングがやってきました。

 「フル☆アニメTV」さんでの、期間限定(2022年:2月10日(木)〜5月9日(月))での全話配信が始まったのです。↓


 Twitterやブログなどで綴られる、Rubyさんとお子さんが親子二代で『ぴちぴちピッチ』を読んだり観たりしている様子には心温まるものがありますが、もし『ぴちぴちピッチ』が存在しなかったら、そんなお子さんも生まれていない可能性もあったのかと思ったりすると(Rubyさんが死んでた可能性があるのでw)、感慨深いものがあります。
 何が彼を生かし、何が彼を狂わせた(え)のか。

 それを確かめるべく、外ではオミクロン株が流行し、北京ではオリンピックが開かれているある雪の日たる本日。僕の『マーメイドメロディーぴちぴちピッチ』視聴は始まったのでした。

 現在、第1話と第2話を観てみましたが、主人公のるちあさんがけっこうマイペースな子だな、というのが初見の印象です。

 冒頭の人間の世界に向かうところでも、周囲の話をあんまり聞かないで自分のペースで泳いでいっちゃったりとか。

 また、物語の冒頭時点では何か大仰な(マーメイドプリンセスとしての?)「使命」のようなものを意識している風でもありません。それよりは、自分が実感を持っている目の前のこととして、男の子(海斗くんね)のことが気になるといったふるまいです。

 一方で、マイペースと紙一重の「わがまま」かというと、そういうのともちょっと違う感じ。

 「真珠」はるちあさんにとって大切なもの、というかアンデルセンの『人魚姫』文脈の作品であることが既に伝わってきているのを踏まえますと、何かしらるちあさんの「本質」に関わるようなものであると思われる(とりあえず象徴的な意味で。設定的な意味合いはまだ分からないw)のですが。

 その「真珠」を、海斗くんを助けるために譲渡しています。これは、明確に「他者愛」です。なので、マイペースだけどエゴだけが大きい無法者とはちょっと違うということが伝わってきて、ここは好感です。

 るちあさんの好感度が上がったところで、おそらくこの作品の本懐の一つであろう「歌」が披露されるシーンが、クライマックスとして描かれるのですが。

 これまでRubyさんから断片的に、


 「歌で戦うんですよ!(キリッ)」


 とか、聞いていた時は、


 「何言ってんのかな?」


 って思ってたのですが、本日視聴してみたら、本当に歌で戦っていました。あ、ああ、そういうこと!

 また、長年、Rubyさんと話してるとおもむろに出てくる単語、「ぴちぴちボイス」という言葉が何を指すのか、今ひとつこれまで分からないまま彼と会話していたのですが、今日、いちおう分かりました。


 「ぴちぴちボイスでライブスタート!」(七海るちあ)


 こ、これが! 「ぴちぴちボイス」!

 人生の長めの伏線を、十年ぶりくらいに回収した気持ちです。

 彼が十年以上かけて到達している「ぴちぴちボイス」にまつわる理解を10だとすると、僕はまだ1くらいだと思いますが、とにもかくにもかろうじて意思疎通ができる段階には、今日、たどり着くことができました。

 第2話のクライマックスの、るちあさんと波音さんのデュエットで「ぴちぴちボイス」が炸裂するところは、たいへんに熱かったです。カッコ良かったです。

 こ、この。完成されたパーフェクトなていの「美」ではないが、むしろ「いびつ」が混じっているからこそ、人を惹きつけてやまないという感じ……、知ってる、RubyGillisは、そういうものに惹かれる男だ! となりました(笑)

 ヤバいくらい良いですね。

 まだ2話ですからね。

 そのうち、もっと大人数で歌ったりするんですよね?(たぶん)

 これから、そのような発展する「ぴっち」世界に巻き込まれていくであろう自分が、何を体験するのかがとても楽しみです。

 あとは、これ、2000年代くらいにムーブメントがあった「ディスコミュニケーション」を扱ってる作品でもあるのかな、とちょっと思いました。

 より、平易な言葉でいうと「すれ違い」ですね。

 海斗くん→マーメイドのるちあさんが好き。

 人間(体)のるちあさん→海斗くんが好き。

 海斗くんは、マーメイドのるちあさんと人間(体)のるちあさんが同一人物だとは分かっていない。……これは「すれ違い」の構図です。

 2002年〜2008年に『週刊少年マガジン』で連載されていた小林尽先生の漫画『スクールランブル』という作品が、この手の好意の「すれ違い」劇を題材にかなり深いものを表現していて、当時の評論の世界とかでよく取り上げられていたのですが、『ぴちぴちピッチ』もだいたい同時期ですよね。

 物語的には、


・「すれ違い」続けて、最後に「意思疎通」した瞬間を尊いものとして描くパターン

 と、

・最後まで「すれ違い」は続いて、でも(「世界」はそういうものだから)それでイイと描くパターン


 と、大まかには二つあるのですが、『ぴちぴちピッチ』のるちあさんと海斗くんは最後どうなるのか、とても気になります。

 うまいことに、Rubyさんから『ぴちぴちピッチ』の話自体は十年以上聞かされていますが、お話自体の結末とかは知らない状態で、よい感じに視聴を始められましたからね。

 これも何かの縁であろうと、このタイミングで経験する物語体験を楽しみたいと思っているのでした。

 で、現在『マーメイドメロディーぴちぴちピッチ』は続編の漫画『 マーメイドメロディーぴちぴちピッチ aqua』がスタートしておりまして。

 そちらのイメージソングのコンテストが開かれていたのですが、これも縁なのか何なのか、Rubyさんが応援しておられた、


参考:「なないろメモリー」(優莉)に投票した理由:マーメイドメロディーぴちぴちピッチ 公式イメージソングコンテスト/穴にハマったアリスたち


 優莉さん(Twitter)の「なないろメモリー」が最優秀賞に輝いたというのが本日発表されました。↓



 おめでとうございます。

 僕も、『ぴちぴちピッチ』をまだ観たことがなかった状態で聴いても、よい曲だな〜と思って応援していたので嬉しいです。

 本日ティザーPVが公開されておりますので、是非チェックしてみて頂けたらと思います。

 昨年から、


・「人魚」を題材にした『トロピカル〜ジュ!プリキュア(感想)』がはじまる
 ↓
・『マーメイドメロディーぴちぴちピッチ』の続編の漫画『マーメイドメロディーぴちぴちピッチ aqua』がはじまる
 ↓
・今年、これからの未来、何かが起こる(?)



 と、「人魚」および『ぴちぴちピッチ』にまつわるビッグウェーブがやってくる前フリが現在、という感覚をもってたりしますので、我々は、今から準備しておくと良さそうでしょう(笑)

(もう一つは、京都アニメーションさんの新作。……となることが多い「KAエスマ文庫」さんの新刊『海姫マレ』が人魚ものであるという点にも注目していたりします。↓


 時代が「人魚」を求めている……。)

 ……十年以上の時を超えた伏線回収がはじまっているかのような感覚を現在感じているのですが、それはきっと善い感じのものであろうという直感があります。

 いっしょに、この動き始めているかもしれないビッグウェーブに参加していってみたいという方は、とりあえず『マーメイドメロディーぴちぴちピッチ』を観たり読んだりして頂けたらと思います!

●配信期間は(2022年:2月10日(木)〜5月9日(月))↓


●Rubyさんが17年ほど『ぴちぴちピッチ』の話題を書き続けている、彼のブログの「ぴちぴちピッチ」カテゴリ↓

マーメイドメロディー ぴちぴちピッチ/穴にハマったアリスたち

・Twitterもやっておりますので、フォローしてやって頂けたら喜びます〜。↓


→コミックスの新装版が発売中







→続編の『ぴちぴちピッチ aqua(アクア)』も発売中



→次回:『マーメイドメロディーぴちぴちピッチ』第3話「ゆれる想い」&第4話「孤独な王女(プリンセス)」の感想〜すれ違う生命たちの悲喜交交を、大らかな海と歌が包んでいる
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