相羽です。

 アニメ『マーメイドメロディーぴちぴちピッチ』第3話「ゆれる想い」&第4話「 孤独な王女(プリンセス)」の感想です。

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 以下、感想はネタバレ注意です。
 ◇◇◇

 前回の感想で、「ディスコミュニケーション(すれ違い)」の要素を扱っている物語なのではないだろうかという趣旨のことを書きましたが。

 今回のお話で、


・るちあさんが、海斗くんとリナがキスをしたのではないかと誤解する。
・ジェニファーさんが、リチャードさんが他の女性とデキてるのではないかと誤解する。



 の二つが重ねて描かれているのは、まさに「すれ違い」の構図です。

 また、「すれ違い」とその「解消(への示唆)」が何重にも重ねて描かれており。

 最初、同じ曲を聴いているのに、るちあさんはポジティブにとらえ、ジェニファーさんはネガティブにとらえる……というシーンが描かれておりますが、認識の「すれ違い」を描いている場面と捉えられそうです。

 だけど、そんなすれ違った二人も、二人とも「恋の悩み」という状況を共有していることが判明すると、るちあさんはめっちゃ他人であるジェニファーさんの応援をはじめます。るちあさんん、イイ人(イイ人魚)。これは、「解消(への示唆)」の流れです。

 今回のエピソード全体では、海斗くんとリナがキスしたのかもというのも誤解でしたし、リナが推定していた海斗くんはガイト様なんじゃないかというのも誤解でしたし……と、短いスパンでのストーリーでは「誤解/すれ違い(ディスコミュニケーション)」は解消されたかのようになっているのですが。

 ただ、大きい物語の縦軸の話にも関係している小さいエピソードが今回だと考えると、大きい物語の方は、マーメイドのるちあさんと人間(体)のるちあさんが一致しないという海斗くんの認識の「すれ違い」に関しては……

 これは、マジで本当は、


・マーメイドのるちあさん=人間体のるちあさん


 なので、この要素(本当は同一の存在)が全体の物語に反映されているとすると、やはり何らかの意味で、


・海斗くん=(ニアイコール)ガイト様


 と、二人は何らかの意味での同一存在であるという展開への仕込みなのかなと感じたりします。

 Rubyさんをはじめ、既にもちろんお話の結末も知っている、重度「ぴちぴちピッチ」ファンたちのニヤニヤの視線を感じながら、


 裸一貫で令和になってから「ぴちぴちピッチ」を視聴しておりますが(笑)

 そして、こういった「誤解(すれ違い)」であるとか、その「解消」であるとかの、人間、というか生命全般の悲喜こもごもを、大いなる海は大らかに包み込んでくれている……という「マザーの視線」のようなものがある作品ですね。

 生命の歴史的には、原初の頃は同じ海にいたのに、陸に上がって「個」へと「分断」されたがゆえに生じる「誤解(すれ違い)」とか戦いとかもろもろ。でも、そういうの、悪いというか、まあ、みんな全部はじまりは海だったという前提での出来事さ……。的な視線。

 たぶん、作中での象徴表現として、


・「海」=「歌」


 なんですよ。

 まだ4話しか観ていませんが、明らかに「波の音」と「歌」は重なった意味合いで作中で使われているので。


・(生命としての自分たちのルーツとしての海の音である)「波の音」

 ≒

・(親という、生物としての自分のルーツである海斗くんの親が奏でた(作曲した?))「音楽」



 という構図は、明らかにあると思うので。

 だから、「るちあ」と「リナ」はまだちょっと名前の由来が分かりませんが(過去のインタビューとかで語られていたりするのかな?)、「波音」はストレートに作品のテーマと連動したネーミングかと思います。

 実際、恋にうらぶれがちではあるものの、懐が深いというか、性格も大らかな感じですしね、波音さん。

 自分の国が滅ぼされてピリピリして深刻な表情をしているリナさんというひとつの生命を、「海」的「歌」的な「大らかさ」を属性として持っているるちあさんと波音さんが、ちょっとだけ柔らげてあげるまで……という側面があった、第3話、第4話のエピソードだったと思ったのでした。

 深刻な表情ばかりしていたリナさんが、「ぴちぴちボイス」で歌い出すところは、『エヴァ』で「綾波が笑顔をみせた」くらいの感動がひとつあったよ。

●配信期間は(2022年:2月10日(木)〜5月9日(月))↓


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