相羽です。

 『デリシャスパーティプリキュア(公式サイト@東映公式サイト@朝日放送)』第12話「小さじ一杯の希望!ジェントルーの本当の心」の感想です。

 ネタバレ注意です。
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 第1話の感想から書いている通り、『デリシャスパーティプリキュア』は今ではバラバラになっている人々(「分断」、「孤立」の状態)が、子どもの頃の食事にまつわる幸せな思い出(これの象徴がレシピッピ)を共有していることを旗印に、もう一度集まってゆく……という物語だとして。


参考:『デリシャスパーティプリキュア』第1話の感想〜今日、大ごはん共同体が生まれた(ネタバレ注意)


 ここ数話で焦点があたっている、「分断」、「孤立」の状態にある人間が誰かといったら、もちろんジェントルー/菓彩あまねです。

 ここねとかも「分断」、「孤立」の状態から始まったキャラクターでしたが、あまねにいたっては現在、革命勢力(「ブンドル団」)の洗脳を受けている状態にあり、立場としてもゆいたちと敵対していますから、「分断」、「孤立」の度合いはかつてなく高いです。

 そんな、めちゃめちゃ「分断」、「孤立」の度合いが高い人間とも、もう一度集まれるとしたら、ゆいいわく「友だちになる」ことができるとしたら、きっかけとなるゆいたちと共有してるものは何なのか? というところで。

 答えは、ここ数話の感想で予想していた通り、あまねの子どもの頃の幸福な記憶、家族との食事の時間の象徴である、お菓子のレシピッピでした。

 ゆいも、ここねも、らんも、あまねもレシピッピが見える。

 ということは、四人は子どもの頃の幸福な食事の時間という体験を、共有しているということ。だったら、今は小さじ一杯くらいにまで閉じ込められてしまっているあまねの心も見つけることができる(それは、ゆい達も子どもの頃に体験済みで、知っているものだから)。

 前回のゆいのおばあちゃんの話、目の前のごはんだけではなくて、目に見えない部分、源流を遡ってお米農家さんのことまで想像してみよう、という話から繋がってくる展開なのが上手いです。

 ジェントルーという目の前の存在がごはんに相当するなら、その源流にある小さじ一杯のあまねの心がお米農家に相当します。ゆいたちは、子どもの頃の幸福な食事時間という共有する体験があるために、それを遡って想像することができる。

 加えて、あまねにもあった子どもの頃の幸せな時間、というのは「家族」絡みの時間と思われます。

 ちょうどストーリーがここまで進行したタイミングで、あまねには二人の兄(「家族」)がいることが発表されています。



 ジェントルーが頭痛を感じるようになるのは、第7話でらん(こちらの感想で書いた通り、本作で「家族」の要素を担っているキャラクターです)の情熱を浴びてからなのですが、そこから、あまねの洗脳からの解放、次回でのあまねの家族登場……の流れまで、ジェントルー/菓彩あまねは、「家族(やはり子どもの頃の幸せな記憶要素と相性がイイ要素)」にまつわる物語を担当しているキャラクターでもあるようです。

 で、なんであまねが「家族」から離れて、「分断」、「孤立」状態、「ブンドル団」という革命勢力絡みになっていったかといったら、たぶん最初のきっかけはSNS絡みだとこれから描くのだろうと予想したりするのですね。

 第6話ラストからの、らんのキュアスタは「ブンドル団」絡み? 疑惑ネタから、ずっと現代におけるSNSの危険性のネタを作中で扱っています。

 らんのキュアスタ(ちゅるりんさん!)はテイクアウト推しにすることで、第一段階の昇華を描いていますから、もちろんSNS=悪ではないのですが、それにしても、ジェントルーは軽率にSNSを参考にし過ぎている描写が繰り返されています(今話でも、らんのトラップに引っかかっている)。

 おそらく、子どももSNSを使うのが当たり前になりつつある最近の世の中における警鐘も含めて、善く使えばイイことも起こるが、表裏一体の事象として、SNSの先の人間が悪い人だった! ということもあるから、というのを描いている(描いてゆく)のだと思います。

 リアルの方でも、若年の女子がSNS経由で悪い大人に誘導されて被害に合う、というのは近年マジであるのです。それこそ、革命勢力の悪い大人に洗脳されてしまうとかも、あり得る事象です。

 そういう時に、洗脳解体、および社会復帰に向けて立ち直っていくための土台となるのが、やはり「家族」であろうという。

 キスマイ(Kis-My-Ft2)の宮田俊哉さんがCVということで盛り上がっていますが(キュアヤムヤム役の井口裕香さんがゲストのニコ生は僕も視聴しましたが、たいへん興味深くかつ面白かったです)、あまねの双子の兄の菓彩ゆあんと菓彩みつきは、とても重要な役回りのキャラクターであると言えそうです。

 その流れで、新プリキュア、いわゆる追加戦士枠のキュアフィナーレが発表となりました。


 早かったですね。今回の放映終了後、即でしたよ(笑)

 上記で書いた話の流れ全てを含めて、「子どもの頃の幸せな記憶」「家族」などの要素を踏まえて、色の配置とか、デザインとかが、今話で子どもの頃のあまねが描いていたお菓子のレシピッピ(正確には、子どもの頃から見えていたレシピッピを、ある程度成長した頃、「ブンドル団」に参加する前の頃のあまねが描いたものでしょうか)をベースとしているのが熱いです。

 配色に赤も入っているのが熱い。ジェントルーの瞳の色なので、おかした罪も含めて、次のステップに昇華されるタイミングでの変身という感じとなりそうです。

 「フィナーレ」は「結末」というより、「統合」って感じのニュアンスなのかなと思ったりです。赤瞳あまねと青瞳あまねの統合・調和。デザインも、ベースに一つの色(たぶん紫)がありつつ、いくつかのメイン色が複数ある感じとなっており、「バラバラだった存在が再び集まる」という作品全体のテーマとも符号しています。

 そして、今話の最後は拓海くんで引き。

 このくらいの脚本力・シリーズ構成力(平林佐和子さん!)となると繋がっているはずで、おそらく拓海くんも、「過去」「子どもの頃の幸せ」「家族」といったテーマ関連のキャラクターと思われます。

 序盤で、マリちゃんと過去に会っていたかも? 伏線もあり(第2話で「あら、あなたどこかで会ったかしら?」というマリちゃんに対して、拓海は「知らないけど」と視線をそらす。)、かつ、今話のラストで持っていたのはクッキングダム関連の何らかのアイテム(変身アイテム?)と思われ、拓海のストーリーは、OPのマリちゃんのカットの、3人のうちのシルエットの1人と関係があったりするのかもしれない、わりとメインストーリー絡みと思っていたりです。

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『デリシャスパーティプリキュア』第12話時点での考察のまとめ/togetter

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→前回:『デリシャスパーティプリキュア』第11話の感想〜Is this my penを何故勉強するか(抽象構造の認識)がジェントルー/菓彩あまねの隠れた内面を発見していくことに繋がるお話へ
→次回:『デリシャスパーティプリキュア』第13話の感想〜別れた「白」と「黒」が引き合い始める初動のお話へ
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