相羽です。

 『デリシャスパーティプリキュア(公式サイト@東映公式サイト@朝日放送)』第16話「らんらんって変…!?肉じゃがとウソ」の感想です。

 ネタバレ注意です。
 ◇◇◇

 バトル部分が練られていて面白かったです。

 キュアヤムヤムのバリカッターブレイズは、何らかの「エネルギー体」みたいな感じなのですね(笑)

 纏って、地面を破砕したりもできると。

 一見拘束が強まったようにみえる行動(腕にブレイズを巻きつける)が、実は解放への一手だった! というのも、なんか最近のストーリーのテーマとも連動していると解釈できそうでイイ感じ。

(大きいエピソードでは、菓彩あまねの心が自由になるまで……がここしばらくのストーリーの要ですし、今話単体でも、「変」という「固定観念」かららんが自由になるまでが描かれている。)

 ただ、バトルパート時点ではまだ高木晋平くんの肉じゃがにまつわる思い出が視聴者に開示されておらず、どういった思い出を守るためにヤムヤムたちはこのバトルを戦っているのか……というのがちょっとボヤけるような構造になっており。

 普通に考えると、シンプルに高木くんの思い出を視聴者に開示、その思い出を守るためにヤムヤム奮闘……の順番の方がイイんじゃないかなどと思ってしまうのですが、山岡潤平さん(今話の脚本担当の方)、プリキュアシリーズで脚本を担当されるほどのエピソード作りの実力者が、理由もなくそんなミス(と一見とらえられそうなもの)をするとも考えられず……。

 ……というところで、今話はバトルパート後のパートがえらくボリューミーなのがその後判明し、全て腑に落ちる感じです。

 バトルパート後のパート、かなりストレートに、高木くんとお兄さんの「家族」愛を描いているパートなのですね。

 華満らんさんというキャラクターが、この『デリシャスパーティプリキュア』という作品でになっているテーマが「家族」だという点は、これまでの感想で繰り返し書いてきたとおりです。↓


参考:『デリシャスパーティプリキュア』第7話の感想〜華満らんの家族で作り上げたラーメンの味のキレが力の偏在の問題で孤立する菓彩あまねの閉塞を切り拓いてゆく


 お父さん、お母さん、妹と弟、物語冒頭時点で、「家族」に関して満ちている、持っている側のキャラクターが華満らんさんです。

 ジェントルーが頭痛を感じるようになるのは、第7話でらんの情熱を浴びてからなのですが、ジェントルー、というか菓彩あまねの個別ストーリーが(おそらく)「家族」関係なので、あれは、「家族」関係で何か現状では不足があるジェントルー/菓彩あまねが、「家族」関係で満ちているらんのエネルギーを浴びてしまった! という展開なわけなのですね。

 そういった前提を踏まえると、今話も、お兄さんが大学に入って遠くに行ってしまった高木くん、つまり「家族」の「分断」が起こってしまった高木くんに対して、その「分断」をつなぐものである「肉じゃが」を、らんが守る、とりもつ、という(バトルパート後に明示される)エピソードになっているわけです。

 「家族」に関して満ちた状態であるらんが、「家族」に関して不足が生じてしまった高木くんに、エネルギーをチャージしてるパートなんだと思って観ると、バトル後の「肉じゃが」パートはけっこうグっとくるものがあります。

 そして、高木くん関係、「家族」要素は、もろにお兄さんで兄弟愛関係なんですね。

 菓彩あまねにも、二人の双子のお兄さんがいます。つまり、次回から始まる菓彩あまね回、というか連続するであろう夏のクライマックスエピソード・キュアフィナーレ登場エピソードは、まず間違いなく「家族」、特に兄妹愛関係のエピソードであると思われます。

 なので、今回バトルパート後にえらくボリューミーに「分断」された兄弟をつなぐ「ごはん(肉じゃが)」とそれを助っ人するプリキュア(らん)という話をやっているのは、もうもう、次回からの菓彩あまねエピソードへの、全力パスなんだと思います。これは、バトルパートのカタルシスに多少影響が出ても、じっくりバトル後に描くしかなかった。

 こんな、エピソード前から全力パスの前ふりに尺をさいて、肝心の菓彩あまねのお兄さんのみつきとゆあん役にはキスマイの宮田俊哉さんをキャスティングしてプロモーションして、い、いったいどんだけの兄妹愛エピソードをやるつもりなんだ〜ッ! と、すでにこわいです。いや、楽しみです。

 個人的に妹萌え小説を書いていたこともあるくらい、兄妹要素好きなんで、プリキュアシリーズが全力でおくる、次回からはじまるキュアフィナーレ登場にいたる菓彩兄妹のエピソードは、とてもワクワクして待っているのでした〜。

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『デリシャスパーティプリキュア』第16話時点での考察のまとめ/togetter

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→前回:『デリシャスパーティプリキュア』第15話の感想〜ここねとらんの異なるものが相補的になるまでを描く(たぶん)テーマ的に前後編の第9話と対応するお話へ
→次回:『デリシャスパーティプリキュア』第17話の感想〜奪い合いの世界観を手放して自由な組み合わせで自分の本懐を表現する時が近いというお話へ
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