『デリシャスパーティプリキュア(公式サイト@東映/公式サイト@朝日放送)』第19話「みんなでデコレーション!お兄さんへの贈りもの」の感想です。
ネタバレ注意です。
何気に、クッキングダムとブンドル団関係の、メインストーリーのお話が少し進展したエピソードでした。
第11話のゆいのおばあちゃんの「表面的なごはんをみているだけにとどまらず、その背後に隠れている生産とか流通の過程、そして『源流』であるお米農家のことにまで想像を及ぼすこと」という趣旨の言が、個々のエピソードやメインストーリーにもかかってるっぽいのが上手いと思ってるのですが、メインストーリー関係のお話も「源流」へと向かっていきます。
参考:『デリシャスパーティプリキュア』第11話の感想〜Is this my penを何故勉強するか(抽象構造の認識)がジェントルー/菓彩あまねの隠れた内面を発見していくことに繋がるお話
今話で明らかとなった、メインストーリー絡みの情報を整理しておくと。
・レシピボンが以前盗まれた時の犯人が不明(シナモン? ブンドル団?)
・その時、どうやって取り戻したのかも不明瞭(犯人がシナモンだったからすぐ戻ったということになってるっぽいが?)
今話のクッキングダムとの通信のシーンで、不穏なBGMが流れていることといい、おいおい!? という感じですね(笑)。
で、そもそもクッキングダムとブンドル団がなんで対立してる(というか、「源流」から別れたのではないかと僕は現時点では考察しておりますが)かというと、これは一種の「ケンカ」と捉えられそうということで、今話で語られる、菓彩あまねの兄、ゆあんとみつきの過去の「ケンカ」エピソードに象徴として表現されていると思います。
「ケンカ→仲直り」の流れは、ゆいの幼少期の回想の、拓海と「ケンカ」したエピソードでも語られていますから、何らかのメインエピソードにかかってくる要素である可能性は高いと思っています。
幼少期のゆいが拓海と「ケンカ」した原因はまだ描かれておりませんが、今話のゆあんとみつきの「ケンカ」の原因は、これはメインエピソードにかかってくる要素だな、と考察するに十分なものでした。
いわく、ケーキが一つしかなかったから「ケンカ」した(ゆあんとみつきは、嗜好がちがう)、その後はケーキを二つ用意することにして解決した。
これは、うちのブログの感想でずっと書いている語りに翻訳すると、リソースが限られている(ケーキは一つしかない)という「おそれ」を抱いて「分断」がおきた、世界には一人一人の「本懐」の分(ゆあんの「本懐(嗜好)」の分、みつきの「本懐(嗜好)」の分)のリソースは十分にあると世界への信頼を取り戻して「おそれ」を手放した。
ということかと思います。
前回が、あまねが「おそれ」を手放してここから未来の自分の「本懐(「パフェ」のような人になりたい。)」を思い描くことに覚悟完了してキュアフィナーレに変身、というエピソードだったので、続く今回で二人の兄のこういうエピソードが描かれるというのは、わりと納得がいきます。
リソース。僕も、個人的には一人一人が「本懐」を全うしていく分は、この地球に十分あるという世界観でいたりするんですよね。
それを、一人一人の「本懐」を捻じ曲げて支配しようとか、「競争(戦争)」で頂点に立って多様性(リソースの源泉です)を排除して俺という一つの画一世界に染めてやるとか、そういう方向のことを言い出したりやりだしたりするから、なんかリソースは足りなくて奪い合いなんだ! みたいな世界観になってしまう。
そういう、殺伐とした世界観を癒して、「和」の世界観みたいなものを取り戻していこう(というか思い出していこう)みたいな志向性は、ずっとプリキュアシリーズにあるよなと思っていたりします。
本作『デリシャスパーティプリキュア』的には、その目指すべき調和した世界観が、「みんなが(再び)あつまった世界」って感じですかね。
(ソレを、OPとかの様々な「本懐」を持った人々があつまった風景&色とりどりの食材が料理となって彩られた食卓の絵で表現している。)
と、そんな感じで最近の個別エピソードの要素が、全体のメインストーリーにも反映していくと推定すると、クッキングダム&ブンドル団関係の中心的な物語でも、「本懐」を全うできずに「分断」に置かれた誰かが、いる……ということになりそうです。
それがシナモンなのか、ゴーダッツ様なのか、あるいは真犯人的な第三のキャラクターなのか、まだ考察はしないでおきますが……。
一方で、今回、マリちゃんのメインストーリーでの物語が決まってきました。「あやまりたい」と言ってましたが(これは、「誰か」がシナモンである想定)、その、「分断」に置かれた誰かに、マリちゃんは「本懐」を全うさせてあげないといけないんですね。
ちょっと旧来の語でいうならいわゆる「オネエ」キャラっぽいというか、男と女という二項対立を前提とした思考をやわらかくして自分は「本懐」のまま生きているという、マリちゃんというキャラクターも生きてくる物語となりそうですね。
「分断」に置かれた誰かから現代の世代にまで影響を与えている、「奪い合いの殺伐とした世界観」という、過去からくる呪いをとく。
「過去」からくる呪い系の敵はですね。怖いですよ。(代表としてよく語られるのが、『ジョジョ』第三部のディオですね。)
そういった呪いを解くのは、現役世代のゆいもだけど、マリちゃんとか、マリちゃんに象徴される我々大人世代の役割だと思うんですよね。
けっこうな「源流」からきている、「奪い合いの殺伐とした世界観」に対して、過去(マリちゃん世代)、現在(ゆい世代)、未来(コメコメ?)の「再集合」で立ち向かっていく……という本作のコンセプトは、とてもイイな! と思っているのでした。
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『デリシャスパーティ?プリキュア』第1話の感想〜今日、大ごはん共同体が生まれた(ネタバレ注意) - 少女創作ファンブログ―The Girlls Fiction Fan Blog(GFFB) https://t.co/1g39Gzrcfb …ブログ更新です。 #precure #デパプリ
— 寂しいシロクマ(相羽裕司)/仙台市太白区 (@sabishirokuma) February 6, 2022
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●『デリシャスパーティプリキュア』第19話時点での考察のまとめ/togetter
→キュアフィナーレ(キュアフレンズぬいぐるみ)
→Blu-ray予約開始
→前回:『デリシャスパーティプリキュア』第18話の感想〜人生上のクライシスを経験しても今から自分の本懐を表現してよいというお話へ
→次回:『デリシャスパーティプリキュア』第20話「あまねのマナーレッスン!憧れのレストラン」の感想へ
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