相羽です。

 『デリシャスパーティプリキュア(公式サイト@東映公式サイト@朝日放送)』第37話「ひそむ怪しい影…あまねの文化祭フィナーレ!」の感想です。

 ネタバレ注意です。
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 マリちゃんにナルシストルーが食に関する幸せな体験が持てない状況の人間だったと聞かされてから、あまねは少し動揺しています。

 動揺というか、戸惑い。たとえば自分がジェントルーになっていたことに苦しんでいた時に救ってくれたような、ゆあんやみつきといった「家族」の温かさ、それを形成した子どもの頃の「食卓」の体験。それが、ない人間だって? それは、どんな気持ちなのだろうと。

 そんな、普通の子どもの時間がおくれなかったナルシストルーが、リンゴ飴という「子どもの頃に食べた甘い食べ物」の象徴のような食を通して、「失われた子ども時間」と再会します。

 リンゴ飴を作ったのはあまねです。というか、ジンジャーが20年前よねさんや菓彩夫妻と何かしようとしていたという情報の開示や、印象的にこのタイミングであまねの両親も登場していることから、あまね単体が作ったリンゴ飴というより、世代を超えて「源流」からつながってきた「善なる何か」が結実したリンゴ飴みたいなニュアンスです。

 これで、ナルシストルーが自分自身の「失われた子ども時間」を取り戻せたから、自分のことは一区切りして、自分の子どもポジションのスピリットルーが現在親ポジションのナルシストルーの「呪い」をモロに受けている状況に関して、「呪い」を解こうと思えるようになるのかな。


参考:『デリシャスパーティプリキュア』第27話の感想〜らんのハッピーが伝わりコメコメは自分の本来性を受け取り直し、スピリットルーはナルシストルーの呪いでまだ閉じたままというお話


 親が混乱してると子も混乱する。親世代ほど、自分が子どもの頃の何かでまで癒せていないことに関しては、癒しておかないといけないのですよね。

 今回、ナルシストルーのその癒せていない部分を癒したのは、あまね(にまでつながってくる、「源流」からの世界の善意のようなもの)。

 子どもの頃にコロナ禍で「食卓」の経験を持ちづらかった子どもが、大人になった時に、「失われていたもの」に癒されていない部分を感じてブンドル団に入ったりしてしまわないように、我々は癒せるタイミングで癒せるような「輪」は作っておいた方が良いと思う次第です。

 全体的に、「善意の輪」というモチーフが使われています。誰かのちょっとした善意が、回り回ってお互いが善意で包まれるかたちで巡っていく。

 その「善意の輪」は、今話では「しんせん中学校」の中で巡っていた感じですが、やがて「おいしーなタウン」で巡っていた! と明らかとなっていく前フリのようにも感じますし、最終的には「世界」で巡っていた! ら、イイな! という願いの物語のようにも思います。

 くす玉の駆動機械の修理のようなものを、ナルシストルーがする。ざっくりと、機械インフラの整備は大人の仕事です。ここではナルシストルーが「大人」で、祝われるあまねは「子ども」の役割となっている。子どもの存在の肯定のために、大人は影ながら頑張る。

 一方、飴づくり、子どもに甘いものを作ってあげようというのは大人の仕事です。リンゴ飴作り、こっちでは、あまねの方が「大人」で、食べられるものが与えられて食の喜びを感じているナルシストルーの方が「子ども」の役割となっている。子どもの存在の肯定のために、大人は影ながら頑張る。

 あまねとナルシストルーは、お互いが「大人」であり「子ども」であるというかたちで、遠回しにお互いの存在を肯定し合っているという、尊い何かを受信可能なカップリングとなってしまいました。

 当ブログは、これからはあまナル(ナルあま)過激勢になろうと思います。

 ジンジャー、20年前に菓彩夫妻やよねさんと何かやってる(アレルギーの子も食べられる料理の開発とか?)→20年後、菓彩の飴ならナルシストルーも食べられる……の流れだと考えると、やっぱりイイ人っぽい気もするんだよな〜。

 来週は過去へ行く話で拓海も絡んでくるっぽいのもありつつ。



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『デリシャスパーティプリキュア』第37話時点での考察のまとめ/togetter

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・当ブログの映画の感想はこちら。



→前回:『デリシャスパーティプリキュア』第35話の感想〜芙羽家の新たなる食卓が創造され最後はゆいのお祖母ちゃんがあの世からリモート参加しそうな気運が高まってきた(え)ようなお話へ
→次回:『デリシャスパーティプリキュア』第38話の感想〜ゆいが近くにあった言葉の中におばあちゃんを見つけるお話
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