『ひろがるスカイ!プリキュア(公式サイト@東映/公式サイト@朝日放送)』第17話「わたせ最高のバトン!ましろ本気のリレー」の感想です。
ネタバレ注意です。
●虹ヶ丘ましろさんというキャラクターの「こだわり」の志向性と「こだわり」のなさという志向性と
結論から書くと、虹ヶ丘ましろさんの物語は、「こだわり」をましろさんも持つという方にいくのか、「こだわり」がない独特の強さを持った人みたいな方向にいくのか、今話時点では双方がシーソーゲームしてる感じです。
最近のYouTube Live配信で話していましたが、ソラさんが「ヒーロー」、ツバサくんが「飛ぶ」という強い「こだわり」があるのに対して、ましろさんは今のところそういう「こだわり」がないというキャラクターです。
ましろさん本人は、そういう「こだわり」がない自分に悩んでる描写が入ってます(将来どうするかのところ)。
ただ、いちがいに今後ましろさんも「こだわり」を獲得して邁進していくように変化していく物語が描かれそうなのかというと、そうとも言えなくて。
実際、第一クールはソラさんが「ヒーロー」、ツバサくんが「飛ぶ」に「こだわり」を持ち過ぎていてもう「呪い」みたいになっちゃっていて、そういった「呪い」が、ましろさんとの交流をとおして、もうちょっと「かろやか」なものになっていく……という流れが描かれていました。
今話で、ましろさんと一緒に走りたかったというのが大きい動機になっているソラさんなんかは、第5話で「一人で戦います!」と頑なになっていた頃からすると、彼女がかなり「かろやか」に変化したのが伺えると思います。
そういった、「かろやか」な変化を促しているのが、ましろさんの「こだわり」のなさや「スルー力」です。
ソラさんが、主従関係結びましょう! みたいな、ザ・「こだわり」みたいなことを言い出しても、「お友だちから」とスルー。
青の護衛団入ります! と、ザ・「こだわり」みたいなことを言い出しても(実際、ソラさんの当初の夢だったのでしょう)、「じゃあ私、そろそろ帰るね」と、わりとスルー。
ましろさんのこういうところは、イイ意味で「こだわり」が強すぎて硬直しちゃいがちなソラさんみたいな人を「かろやか」にしてきてる力であるので、いちがいにマイナスポイントとは言えず、むしろ、謎で不思議なましろさんの強さのかたちであるとも思えます。
と、ここまでを前提として、今回第17話は、ましろさんが、「私もこだわってみるか」的に、「リレー」に「こだわり」を持って注力してみるエピソードです。
で、結果としては、
1. 結果として勝てても、過程で自分が転んでしまったのが悔しいと、ましろさんにも「こだわり」の気持ちがあるのに気づく。「負けず嫌い」「走るのが好き」という自分に気づいたと、ましろさんにも「こだわり」寄りの素性もある、という方向の話になりつつ……
2. ひと通り自分の「こだわり」もある気持ちに気付いてからは、バトルで、プリズムの光球をスカイに渡しており(さっきとは逆に、過程はいいから勝てばよいという方向)、やっぱりましろさんって「こだわり」から解放されてるところがあるよね、プリズムこそが私のアイデンティティ、私がやるの! みたいな、物語当初のソラさんの「ヒーロー」にかける想いみたいなのとは、位相が異なる精神構造の人だよね、という方向の話にもなっている……
「1」と「2」が、今話時点ではシーソーゲームしてる感じです。
今後どうなっていくのかは、ストーリーの展開を待つしかないところがあるのですが、個人的には心持ち「2」のタイプのちょっと不思議な強さを描いてくれた方が面白いかなとは思っています。
『ひろプリ』は20th年作品で、かつてプリキュアシリーズ観ていた子供が現在新社会人くらいになってる方向けの作品という話的にもさ。
ましろさんは、ブラック企業に勤めてたと気付いたら、「こだわり」なく辞めるタイプですから(笑)。そういう感じのメッセージもイイと思うんですよね。
リレーの練習シーン。ソラさんもツバサくんも、まだまだ「こだわり」組だから。ソラさんは直感的な話をするし、ツバサくんは航空力学やってるだけあって、なんか理屈っぽく言ってくるし、若干「ブラック」な練習風景にも見えるんですよ(笑)。
今回は、そういうちょっと「ブラック」にも能動的に参加してみたら、得られた知見もあったってエピソードですけど、今後は分からないですよ。個人的には、ましろさんには融通無碍のましろ菩薩領域! みたいな感じになる終盤を観たい気がしていたりなんですけどね。
そんな、ワンクッション「こだわり」に関するお話を今回入れて、次回は「最強の保育士」に今のところ「こだわり」を持っている感じがする、聖あげはさんのキュアバタフライ変身エピソード! という流れなのかな〜と思ったりした、日曜日朝の視聴だったのでした〜。
というわけで!
先週の日曜日(5月21日)の、YouTube Liveでの「ひろプリと神話の話をするライブ配信」にお越し頂いた皆さま、本当にありがとうございました。
先週配信の分は、アーカイブが残ってるので、タイミングが合った時によかったらどうぞです。
まだ慣れない感じでやっておりますが、劇中劇の効能について、現実Aと現実Bを対立的に捉えると硬直してしまうのが、間にファンタジーの領域というクッションを挟むことで、ゆるやかな態度が生まれる……といった話をしたり、
ひろプリは「タテの宇宙観(日本、古代ゲルマン神話系統)」で描かれてるという話。天と地の二項対立を緩和していく可能性としてのファンタジー領域(ソラシド市)……といった話をしたり、
虹ヶ丘ましろさんのこだわりのなさ(主従契約の持ちかけスルー、普通にソラシド市に帰ろうとするなど)は、一つの強さである可能性について話したりしてみました〜。
気になる方は、タイミングが合った時に再生してみて頂けましたらと〜。
↓
●『ひろがるスカイ!プリキュア(ひろプリ)』第16話の感想と神話のお話〜劇中劇、プリキュア、ファンタジー領域で二項対立(スカイランド/アンダーグ帝国)の緊張を緩和すること/YouTube Live(アーカイブ)
配信中に描いた図はこちら↓
YouTubeチャンネルへのチャンネル登録もぜひよろしくです。ほぼほぼ徒手空拳で配信の世界に飛び込んでみたカタチですが、まずはチャンネル登録者30人を目指して努力していく所存です!↓
●『プリキュアの感想と神話のお話』/YouTubeチャンネル
毎週日曜日の20:00〜20:40分(時間が変わったので注意!)に、その日の朝放映分の『ひろプリ』の感想をネタバレでお話しつつ、神話の話も絡めていく! というYouTube Live配信を定期的にやっております。(ラスト10分は予備時間で、実質30分配信です)
本日(5月28日:日)も配信URLは時間(20時00分)になったらTwitterに投稿しますので、試聴のタイミングはTwitterの方をチェックしておいて頂けたらと思います。文章だけじゃなく、話してる相羽さんに興味があるゾという方もお気軽にどうぞ。本日夜にお会いしましょう!
・Twitterもやっておりますので、フォローしてやって頂けたら喜びます〜。↓
『ひろがるスカイ!プリキュア』第1話の感想〜大人になったら末法の世になってたが、子供の頃のマクシム(自分との約束)を胸に虚構のヒーローが現実でもう一度立ち上がる - 少女創作ファンブログ―The Girlls Fiction Fan Blog(GFFB) https://t.co/XbNf8vYMQr …ブログ更新です。 #ひろプリ #precure
— 寂しいシロクマ(相羽裕司)/仙台市太白区 (@sabishirokuma) February 5, 2023
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→前回:『ひろがるスカイ!プリキュア(ひろプリ)』第16話の感想〜劇中劇表現をとおした心理の深掘りと、成人プリキュア聖あげは/キュアバタフライ物語の初動とへ
→次回:『ひろがるスカイ!プリキュア(ひろプリ)』第18話の感想〜苦行的なプリキュア観からの解放と、本来自由で楽しい社会人とへ
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