相羽です。

 『キボウノチカラ〜オトナプリキュア'23〜(公式サイト)』第2話「ケツイノスガタ」の感想です。

 ネタバレ注意です。
 ◇◇◇

 大人なので、お酒を飲むプリキュア5の面々。

 キュアレモネードだったからレモンサワーを頼むとか、本人たちもネタにしています。

 うららさん→レモンサワー、こまちさん→モヒート、りんさん→レッドワイン……ときて、かれんさんも何かアクアっぽいお酒頼むのかな? という流れでかれんさんが烏龍茶を頼んで「オチ」になっているのですが(正確にはくるみの「大吟醸・兎と亀」と二重オチ)。

 ちょっと待ってほしい。

 そもそも、最初にキュアドリームである夢原さんが頼んだのは生ビールです。出オチです。

 いや、生ビール、ドリーム感あるよね? って夢原さんに言われたら「はい」って言うしかないけど……。

 ただ、このパートでかれんさんが烏龍茶を頼んでいるのは、彼女が相変わらず抱えている「一人で抱えすぎ」という問題を反映していて、今後彼女のストーリーが一歩進んだところで、かれんさんの好きなお酒も頼んでくれそう。

 そこで、公式Xのカウントダウンで使われていたかれんさんのイラストポストに台詞が入ってる、「私のオススメです。よかったら」が出てくるのかな。

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 1話かけてメインで描かれた夢原さんはもちろん、りんさんはアクセサリのコンペで落ち続けている、うららさんも著名な演出家の要求水準に応えられない、こまちさんはしばらく小説が書けてない、かれんさんも医者の仕事の壁にぶつかってる……と、それぞれ大人になって現実の壁にぶつかって苦悩している模様。

 僕的には特にこまちさんのパートから色々とこまちさんの物語の凝縮されたものを受け取っていて、『プリキュア5』冒頭では小説を書いていることを周囲に隠していたこまちさんが、今度は小説が書けなくなったことを周囲に隠してるような構図になっています。

 また、こまちさんが小説を書く動機は『プリキュア5』で描かれてる範囲では、主に姉のまどかさんへの気持ちの防衛機制、ナッツへの恋心なので、今はその二つがもうないから書けないのかな……とか思ったりです。

 姉のまどかさんへの気持ちは、


参考:Yes!プリキュア5GoGo!/感想/第20話「こまちとまどか 二人の夢」


 で一区切りしてるから、今話では特にディスコミュニケーションが起こってる感じでもないですし、ナッツへの気持ちは以前は作品に昇華していたのですが、


参考:Yes!プリキュア5/感想/第43話「こまちの決意とナッツの未来」


 ナッツとの交流はもう途切れていたようです。

 ある意味、子ども時代、青春時代にあった苛烈な何かは一区切りしたから、書けない、というこれも大人の一つの姿かもなと思ったり。

 もう一度情念のようなものを取り戻す方に行くのか、あるいは実家のお菓子屋さんを手伝うことも、町内会の範囲でやれることをやるのも、大事な大人の姿であるみたいな方向に行くのか、こまちさんの大人ストーリーはとても楽しみです。

 ◇◇◇

 そして、大人なりに自分ではどうしようもない現実に打ちのめされていたりする面々の中で、大人夢原のぞみさんが最初にキュアドリームに変身。

 変身であり、なんか「再会」というニュアンスで捉えたいところ。

 今話では夢原さんがココのことがちょっと気になってる描写も入っているのですが、ココという大事な過去の人間関係への回帰ではなく、第1話の「未来で逢う」という片桐るみちゃんとの約束という、未来の約束を契機としての変身というのがすごく良かったです。

 社会にある自分ではどうしようもないことも、時にお酒に逃げたくなるような大変な日々も、全部知った上で大人のまま夢原さんが変身するキュアドリームというのが熱すぎです。

「オトナプリキュア」というフレーズのキャッチーさに目がいっていましたが、第2話まで観ると改めて『キボウノチカラ』という作品タイトルがよいです。特に「チカラ」。

 夢原のぞみさんがかつてキュアドリームだった頃の全て、あるいは視聴者的にはかつて『プリキュア5』を観ていた頃に感じていた「キュアドリーム的なるもの」みたいなもの、大人になって現実に絶望しかける中で無力になったかというと、いやいや、まだ、そういう希望の力と我々は断絶していない……みたいなニュアンスを感じるのですよね。

 夢原さんは、逆風的な状況でも彼女の中心にある大事なものを彼女自身が裏切らないのがやはりカッコいい。

『プリキュア5』の第1話で、ギリンマさん(脅威)に「あんたはココの夢をバカにした。絶対悪い人よ!」って言うのと同じ。そこは自分の中心にある大事なもの(価値観)だから、はっきりと言う。

 今回も、どれだけ実際に大人になって自分ではどうしようもない社会の理不尽を目の当たりにしても、絶望して眠った方が楽だと言われても、第1話で未来にるみちゃんに「逢いにいくから」と言ったこと。有名なダンサーになってるかも。TVのインタビュー大歓迎。という未来に向かっての希望のささやかな会話を交わしたこと。

 フローラ様に逢いにいくほど大仰なものじゃない。権威もポーズもお金も他人がどういうかとかも関係ない、その何気ない約束が夢原さんの中心にある大事なものだから、それは表現する。

 夢原さんの表現は周囲に伝播して、希望を湧き起こしていく。『プリキュア5』のストーリーの作劇ですが、実際夢原さんというかキュアドリームが新規作画で動いて喋る姿を観ると、視聴者としても希望が湧いてくる感覚があります。

 アニメで「なんだか分からないけど自分もがんばろうって気持ちになる」のはけっこう久しぶり。すごい作品が始まってしまったのです。今年の後半は、『キボウノチカラ』を観ながら僕も未来に向かって目線を向けていきたいと、わりと真面目に思ったりするのです。

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→キュア・カルテットの新曲のエンディングという意味不明の感動を(僕に)もたらしている「雫のプリキュア」



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→前回:『キボウノチカラ〜オトナプリキュア'23〜』第1話の感想〜大人になった夢原のぞみさんとの再会(ネタバレ注意)へ
→次回:『キボウノチカラ〜オトナプリキュア'23〜』第3話「ココロノキオク」の感想へ
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